女性がゼネコンに就職して苦労するのははどんなこと?(現場・設計)

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くまみ
くまみ

女性がゼネコンに就職するのは大変なのかな。

トラコ
トラコ

実際にゼネコンで働いた経験をもとに、女性にとって大変なことをまとめていきます。

そもそもゼネコンとはどんな会社

ゼネコンとは総合建設業のこと。ゼネラルコントラクターの略で、設計から現場施工まで一貫して行うことのできる会社のことをいいます。

そのため、会社内には、建築設計部、建築施工、開発、不動産、営業、技術研究所、土木部門に関わる部署などたくさんの人たちが働いていて、それらの部署と連携を取りながらプロジェクトを進めていきます。

建築施工は、建築現場で働く人たちのことです。

ゼネコンの設計部の仕事に関していえば、ざっくり言うとこんな感じです。

  • 設計業務(設計部ですから、もちろん一番メインの仕事ですね。)
  • 監理業務(現場が設計図通りに進んでいるかや法的に問題ないかをチェックします。建物完成まで現場に出入りします。)
  • 計画業務(仕事を貰うためのコンペみたいなものですね。)
  • 現場支援(ゼネコンには他社設計の物件や、改修などの仕事もたくさんあります。現場からいろんな検討を頼まれることがありますのでお手伝いします。)

設計事務所で働くより、施工に関する仕事は格段に多いのが特徴ですね。施工の知識はおのずと増えますので、ゼネコンの設計部で働くメリットとなります。

ゼネコンの基本的なことに関しては過去記事にまとめていますのでこちら是非ご覧ください。

女性の割合は?

ゼネコンの女性比率は各社によって異なりますが、私の経験では会社全体で1割〜2割程度のイメージです。

ただし、一般職(事務系)の女性比率が高いので、総合職(技術系・設計系)のみの女性比率はもっと下がります。

ただ近年の新卒採用の比率は各社とも女性比率が2割程度となっています。昔に比べると、格段に女性の比率が高くなってきている状況です。

参考として、近年の新卒入社の女性比率の外部記事を載せておきますので、こちらもぜひご覧ください。

【外部リンク】日刊建設工業新聞/新卒の女性採用比率は2割で推移 [2020年4月24日3面]

ゼネコンで女性が苦労することは?

construction silhouette

では女性がゼネコンで働くことは大変なのでしょうか。

日本建設産業職員労働組合協議会の2021年の調査によると、就活生がゼネコンを希望しなかった理由の上位5位は下記の通りです。

就活生がゼネコンを希望しなかった理由TOP5

1位 労働時間が長そう

2位 転勤・移動が多そう

3位 仕事の内容がわからない

4位 働いている人が怖そう

5位 女子が働きにくそう

このランキングでも、女性が働きにくそう。というイメージが5位に入っています。では実際はどうなのか。実際にゼネコンで働く筆者が体感した、女性が苦労する点をまとめていきます。

ここでは総合職に限ってまとめていきます

外勤(現場)内勤(設計・研究)では状況が違いますので別々にまとめていきます。

現場(外勤)で女性が苦労すること

・長時間労働

・体力的にハード

・女性が少ない

・異動が多い

・職人さんが指示を聞いてくれない(ことがある)

長時間労働

これに関しては、時期や配属された現場によるので一概には言えませんが、建物の竣工前などは終電で帰る日々が続きます。帰れない日もたまにあります。

大学時代の課題提出前と同じイメージです。

一般職と比べると格段に長時間労働です。好きじゃないと続けられないと思います。

特に子供ができると、一時的に内勤になる女性も多いです。そういう面では、今だに女性にとって働きやすいとは言えないかもしれません。

体力的にハード

一日中、現場を動き回る体力が必要です。

スーパーゼネコンレベルになるとほとんどの物件の規模が大きいので、動き回る距離も格段に長くなります。

シンプルに運動量が多い仕事ですので、運動が得意だったり好きな人には問題ないかもしれませんが、筆者にはとてもきつかったです。

女性が少ない

女性が少ないので、常に男性に囲まれて仕事をする必要があります。大人数の打ち合わせなのに女性ひとり、という状況は日常茶飯事です。

女性が少ないと困るのが設備などですが、最近では現場事務所に女性更衣室やトイレがあるのは当たり前になってきました。

それでも、生理中の体調不良を伝えにくかったり、理解してもらえなかったりするという不都合はあります。

異動が多い

現場が終われば次の現場へ移動します。物件にもよりますが、早い物件だと1年で終わる現場もあります。その度に職場が変わります。

場所によっては、住んでいる家が遠くなるので、現場で部屋を借りてくれることもあります。なので一般的なサラリーマンより、引っ越す頻度が高いです。

職人さんが指示を聞いてくれない(ことがある)

これも最近は少なくなってきましたが、年配の職人さんの中には年下の女性に指示を出されることに反感を持つ人がいます。

指示を聞いてくれなかったり、話をしてくれなかったり、怒られたりすることも稀にありますので、諦めず真摯に向き合う忍耐強さや、めげない心が必要です。

設計部(内勤)で女性が苦労すること

・長時間労働

・女性が比較的少ない

・全国転勤がある

長時間労働

図面の提出前や、期限が迫っていると、残業することが多くあります。急な仕事で帰れなくなることもあります。

技術系の仕事であれば、建築設計に限らず同じだと思います。

女性が比較的少ない

現場よりは多いですが、設計でも男性の方が圧倒的に多いです。

打ち合わせに女性ひとりという状況も多々ありますし、施主が男性ばかりということも多いので、男性の中でも堂々と自分の意見を述べられる意思の強さは必要です。

全国転勤がある

採用条件によりますが、設計は基本的に総合職なので全国転勤はあります。場合によっては海外転勤もありえます。

子供ができたりすると簡単に転勤できなくなるので大変かもしれません。ただし、会社に相談すればある程度要望を聞いてくれることもあります。

どの会社でも上司と面談する機会があったりするので、その際に要望を伝えておくといいかもしれません。(その通りになるかはわかりませんが。。。)

ゼネコン設計部の1日がどんな感じか気になる方は、過去記事にまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください。

苦労することは結構あるけどゼネコンはおすすめ

ここまでゼネコンで女性が苦労することについてまとめてきましたが、筆者的にはゼネコンに就職するのはおすすめです。実際に、建築系の就職先として人気があります。

人気の理由はいくつかあります。その理由については過去の記事でまとめていますので、少しでもゼネコンに興味があるという方はぜひこちらもご覧ください。

まとめ:ゼネコンは大変だけどやりがいは無限大

ここまで女性がゼネコンで苦労する点についてまとめてきましたが、大変な分、得られるものも多いです。やりがいも大きいです。

建築が好きであれば、とても楽しい仕事だと思います。逆にいえば好きでないと続けられない仕事でもあります。

自分の好きなことがなんなのか、どんな仕事をしたいのかしっかり考える上でこちらのブログがみなさんの参考になれば嬉しいです。

ここまでご覧いただきありがとうございました。

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