一級建築士に一発合格したい!「受かるための勉強法」をお教えします

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一級建築士を取得したい。できれば1回で合格したいけど、そんなことできるのかな。。。

もちろん可能です。1発合格は夢ではありません。

筆者は2017年にはじめて受験して、その年に1発合格しました。今から受験に挑むみなさんの助けになれるよう、私の経験や、実践した勉強法、コツなどを詳しくお話ししていこうと思います。

 

受かるためにまずは試験を知ろう

試験の構成は?

一級建築士試験は一次試験と二次試験に分かれていて、一次試験に合格すると2次試験に進むことができます。

一次試験は学科試験で、科目は次の5科目です。

  1. 学科1(計画)20問
  2. 学科Ⅱ(環境・設備)20問
  3. 学科Ⅲ(法規)30問
  4. 学科Ⅳ(構造)30問
  5. 学科Ⅴ(施工)25問

試験時間は、学科1+学科Ⅱで2時間、学科Ⅲは1時間45分、学科Ⅳ+学科Ⅴで2時間45分の3部構成となっています。

2次試験は設計製図の試験となります。試験時間は6時間30分で丸一日のハードな試験になります。

毎年、設計する建物用途が異なり、課題は事前に告知されます。基本的には1次試験の受験後に告知があり、2次試験までは約2.5カ月程ありますのでその期間に勉強するということになります。

合格には何点必要なの?

H30年の合格点は、91点/125点(5科目合計点)でした。毎年合格点は変わりますが、基本的にはこのあたりが合格のボーダーラインになります。

学科試験には、科目ごとに合格基準点というのがあります。この基準点を1科目でも下回るとその時点で不合格となります。つまり、得意科目だけでは合格できないということです。全ての項目で、得点を上げる必要があります。

合格基準点は科目別に見ると、下のような感じです。(H30年)

計画 11/20 点

環境・設備 11/20点

法規 16/30点

構造 16/30点

施工 13/25点

基本的には全ての項目で50%以上の点数が必要です。

合格率はどのくらい?

H30年の統計によると、

一次試験の受験者数は25,878人で、合格者は4,742人。合格率は18.7%でした。

二次試験は受験者数は4,584人で、合格者は1,683人。合格率は36.7%でした。

前年度や前々年度までの合格者も含まれてたりしますので一概には言えませんが、1次試験と2次試験を通しての合格率は7%くらいです。

合格率7%は、かなり低いですよね。しかも受験者には、建築に精通したベテランも含まれるわけですから、なかなか厳しい道のように感じます。

試験の概要をもっと知りたい方はこちら(公式HP)

じゃあ勉強はいつから始める?

ここからは筆者の経験をもとにお話をしていきます。

1次試験は、だいたい7月末に実施されます。私が勉強をスタートしたのは、前年の12月でした。勉強期間でいえば8ヶ月間ほどですね。

その時の私の状況は、ゼネコンの設計部で仕事をして2年目というところでした。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、比較的多忙な状況でした。むしろこの業界のほとんどの方は似たような状況だと思います。

それに大学を卒業してからは、根を詰めて勉強する習慣もなく、モチベーションはかなり低かったですね。笑

そんな状況でしたので、無理やり勉強する環境を作らないとダメだと思い、資格学校に通うことにしました。学費は製図試験まで含めて100万円弱で、社会人2年目の筆者にとってはかなり高額でした。

しかし、今となってはあの投資が、自分のモチベーションと自分を推し進めるプレッシャーに繋がったので、やってよかったと心の底から思います。

資格学校に通うべき?

先ほども言いましたが、私は一次試験、2次試験ともに資格学校に通いました。

なぜ決して安くはないお金まで払って、通ったのか。理由はいくつかあります。

  1. 勉強へのモチベーションが低い。高いお金を払うことでモチベーションがUPする。(理由は不純ですがこれもアリだと思います。)
  2. 勉強する時間がない。(という言い訳をしがち。)無理やり勉強する環境がないと勉強できない。
  3. 勉強する習慣をつけたい。(毎日継続する習慣)
  4. 効率よく勉強したい。
  5. 最新情報や、試験に出そうなポイントを知りたい。(自分で情報収集するのが手間。)
  6. 教材や模擬試験などが充実している。(自分で買い揃えるのがめんどくさい。)

などなどが理由です。

1回で合格を目指すなら、特に「モチベーション」と「勉強時間の確保と「毎日勉強する習慣」が一番大事です。はっきり言ってこれがなければ、資格学校に通っても無理です。

もし、この3つに自信がある方は独学でも大丈夫だと思います。または、ほかに自分を追い込む方法がある方も独学で大丈夫かと思います。

ただ、筆者と同じで自信がない。。。という方は資格学校に通うことをお勧めします。

また、2次試験の製図は特に資格学校に通うことをお勧めします。2次試験はとにかく、課題の数をこなして、プランニングのスピードをあげるのが大事です。そのために、毎週新しい課題に取り組めるのはとてもメリットが大きいです。

2次試験だけ通うことも可能なので、検討してみてください。

【1次試験】合格するための勉強法は?「受かるための7か条」

では受かるためにはどう勉強すればいいのか。筆者が実際に1回で合格できた「受かるための7か条」をお教えします。

①毎日3時間勉強

これは筆者も勉強し始めはとても辛かったです。毎日の通勤時間や、仕事の昼休みに、教科書や問題集を読み込みました。机に向かって勉強する時間の無い人は、これくらい貪欲にスキマ時間を有効活用しないと点数は取れません。

こんなに努力しても点数はそんなにすぐには上がりません。筆者も試験の直前まで、合格点に満たない状況でした。ですがそんな時でも、モチベーションを維持して勉強し続ける強い意志が必要です。

②合格までの勉強のスケジュールを細かく決める

これは教科書や問題集を手に入れた時点で実行してください。

試験日までのカレンダーを作って、具体的に何ページまで終わらせるのか記載していきます。これを常に確認できるようにしておいてください。スケジュール通りに勉強を終わらせるクセをつけて、教科書や問題集をもれなく勉強しましょう。

というのも、学科試験は毎年新規の問題が出ます。もちろん、過去問からも出ますが、新規の問題を解けるようにならないと合格はできません。そのためには、教科書や問題集を全体的に勉強する必要があるのです。

③まずは教科書を3回以上読み込む

最初は教科書を読み込みましょう。できれば1章読むごとに問題を1回解いてみる。そのまま1冊を勉強しおわっったら、次の科目へ。全科目終わったら、同じように最低3回繰り返すのがオススメです。キツイですが、3回繰り返すと記憶が定着します。

最初から問題集に手をつけてはいけません。一級建築士試験の場合、過去問も出題されますが、問題の内容や質問が微妙に違う場合がよくあります。問題を覚えてしまって、思い込みで答えを選ぶミスや、応用問題に対応できなくなることがあります。

教科書を読んで、正しい知識や理屈を理解しておくことはとても重要です。

④問題集は5回以上やる

問題集は最低5回はやりましょう。間違ったら教科書に戻って確認する。を繰り返しましょう。これを試験当日までずっと繰り返します。苦手分野をどんどん潰していくことで自信もついてきます。

⑤模擬試験を受けましょう

模擬試験を受けるのはとても大事です。資格学校が開催している模擬試験では、当日の試験に近い雰囲気を味わうことができます。

実際、試験当日はとても緊張します。筆者もかなり緊張しました。周りの人たちの必死さに飲まれてしまいそうになります。緊張して問題が解けなくなるなんてことにならないために、模擬試験で当日の雰囲気を味わっておきましょう。

⑥間違った項目はもう一度教科書で勉強し直す

これは何度も言っていますが、繰り返し学習が一番大事です。

自分の苦手を見つけて、ひたすら苦手項目を潰して行く。この繰り返しが合格のためには一番大事です。

途中で何度も嫌になりますが、筆者は「100万円も払ったのに無駄にしたくない」という気持ちで頑張りました。

⑦最後まで諦めないこと。点数は試験直前に上がってくる。

点数が上がらないからと、途中で諦めたりしないでください。

点数は試験直前まで上がりません。筆者も同じで、試験までの模擬試験では1回も合格点が取れませんでした。直前まで点数が上がらず、嫌になってしまいそうでしたが、最後まで諦めず取り組めば、絶対点数は上がります。

不安になってきたときは、自分が取り組んできた教科書の痕跡や、最初に作ったカレンダーを見返して、「自分はこんなに努力してきたんだから大丈夫」と自分に自信を持ちましょう。

ここまで「受かるための7か条」についてお話ししてきましたが、試験勉強は辛いし孤独です。誰もがそうだと思います。しかし、合格する喜びは全ての苦労をチャラにしてくれるほど嬉しいです。諦めなければ道は開けます。8ヶ月頑張りましょう。

【2次試験】合格するための製図のコツは?

製図は、スタート段階での個人の能力差がとても大きい科目だと思います。

特に意匠系の仕事をしている方は、プランニングすることに慣れているので、それだけ製図自体に時間を割くことができます。結果、完成度の高い図面になる上、見直しの時間もあるので、条件不足で不合格になる可能性も低くなります。

製図の試験は、A3一枚の課題文と製図用紙(解答用紙)が最初に配布されますが、課題文には、敷地の情報・必要な部屋のリスト・その部屋の面積や諸条件などが記載されています。

この文章を読み解いて、図面にしていく試験です。製図の流れとしては、

  1. まずは文章を読んで、部屋同士にどんな関係性があるのかをダイヤグラムにしてわかりやすくまとめます。
  2. その後、実際の部屋の面積・敷地の形状などを考慮した上で下絵(エスキース)を書いてプランを検討します。
  3. 下絵(エスキース)で、プランが決まったら製図を始めます。
  4. 論文形式の問題の回答を記述します。

(3・4についてはどちらから先に回答用紙に記載しても大丈夫です。)

上記の中で大事なのは、ダイアグラムとエスキースをできるだけ短時間で終わらせるということです。下準備が早く終われば、それだけ製図に時間を使える上に、精神的にかなり楽です。2次試験は焦ると、一気にミスが出ます。

合格するためにはこの能力を鍛えましょう。筆者もこの能力を鍛えるためにほぼ時間を使いました。具体的には、

新しい課題をできるだけたくさんこなす。

これに尽きます。ひたすら新しい課題にチャレンジして、文書をプランに変える「読解力」と「スピード感」を鍛えることです。

製図を短時間でできるように練習すればいいのでは?という方もいますが、どうしても製図のスピードUPには限界があります。一番時間を短縮できるのは、やはりダイアグラムとエスキースです。

製図道具やその他アイテムについては、使いやすくて使い慣れたものを使いましょう。ちなみに筆者が使った、製図用のシャープペンシルは1種類のみです。予備として2本用意しましたが、0.5のシャーペンにB芯を入れて使いました。

持ち替える時間さえもったいないので、厳選されたアイテムのみで試験に挑みました。試験会場の机やスペースが小さい事がよくあります。なので普段から省スペースで製図できるようにしておいたほうがいいと思います。

まとめ:1発合格の秘訣は、「毎日の努力」「時間確保」「モチベーション維持」につきます

ここまで一級建築士に1発合格するための勉強法についてお話ししてきました。前にも述べましたが、試験勉強は辛いし孤独です。誰もがそうだと思います。しかし、合格する喜びは全ての苦労をチャラにしてくれるほど嬉しいです。諦めなければ道は開けます。

合格するためには「毎日勉強する努力」「忙しくてもスキマ時間を活用して時間確保する」「辛くてもモチベーションを維持して諦めない」これに尽きると思います。

みんなさんの努力が報われることを願っています。ここまでご覧いただきありがとうございました。

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